中川紀夫(紀窯)
イギリスの伝統的なスリップウェアの雰囲気を受け継ぐ、素朴でおおらかでありながら、存在感を放つうつわ
長崎県波佐見町で生まれ育ち、秋田公立美術工芸短期大学を卒業後、益子・大誠窯で8年間学ばれたのち、2009年長崎県波佐見町の中尾山にて独立。 天然の素材にこだわり、スリップウェアを中心とした、ぬくもりのある器を作陶されている中川さん。
日本民藝の雰囲気が色濃いスリップウェアですが、実は発祥はイギリスで、8世紀に庶民が調理用に使うパイ皿としてのスリップウェアが作られるようになったのがはじまりとのこと。
しかし当時、スリップウェアはイギリスをはじめとしたヨーロッパではほとんど評価されていなかったそうで、その後、柳宗悦氏や濱田庄司氏といった日本の民藝運動の創始者たちがその美を見出し、世界で初めてスリップウェアを評価し、価値を伝えました。
現在の日本の食卓で人気を博すスリップウェアですが、長い年月と海を越えて、イギリスから日本へ受け継がれた歴史はとても興味深く、ますますスリップウェアに魅力を感じてしまいます。
そんな古陶スリップウェアの魅力を忠実に表現されている、中川さんのうつわ。
格子文様といった英国スリップウェアの王道の様な柄のうつわは、もともと日常使いとして作られた古陶スリップウェアと同じく、素朴でおおらかでありながら、存在感を放ちます。
気負いなく、普段の食卓に使いやすいところが、ヨーロッパと日本の雰囲気と技術を引き継いだ、中川さんのスリップウェアの最大の魅力です。
オーブン料理やパスタなどの洋食はもちもん、煮物などの和食にもぴったり。
そして野菜やフルーツといった、素材自体の色が美しく映えるうつわでもあります。
是非、中川さんのスリップウェアをみなさんの食卓でもお楽しみください。