松田啓司・松田奈織子(陶房遊)
温かさが宿る、心を満たしてくれるうつわ
砥部焼で有名な愛媛県砥部町に窯を構える、陶房遊(とうぼうゆう)さん。
陶芸の産地ということで、周りには代々の窯元が多い中、松田啓司さん・奈織子さんご夫婦が、初代として自ら窯を立ち上げられ、夫婦二人三脚で作陶されている窯元で、屋号である陶房遊の由来は、「遊び心を持った作品作りをしてほしい」との願いを込め、おばあさまが名付けてくださったそう。
「これしか作らないというのはわたしたちの性分ではない」とおっしゃるおふたり。
砥部焼ならではの、白磁に呉須と呼ばれる薄い藍色の手書きの図案といった伝統的な作品のみならず、遊び心をプラスした作品づくりを追求されているところが、魅力のひとつです。
これまでおふたりが真摯に陶芸と向き合い、経験してきた様々な陶芸の技法や要素をひとつひとつ確実に積み重ねてきたこと、そして、常に挑戦したいという想いが、新しい作品を生み出す原動力となっているのだろうと感じます。
松田さんご夫婦は、お料理をすることが大好き。
自らの毎日の食卓をヒントに、「シンプルで重なりよく、使うことを考えたうつわづくり」を目指し、さまざまなシーンを思い浮かべ、お互いに意見を出し合いながら、デザインをしておられます。
伝統的な使いやすさをそのままに、使う人のことを想い、新しい表現を続けておられるおふたりの作品は、「毎日必ず食卓にかかせないうつわを作りたい」という想いが込められているのです。
「皆様の食卓が豊かになりますように」という想い。
皆様にも手に取って感じていただけたらと思います。