長岡亜耶(製陶ナガオカ)
静かな佇まいの中に、物語を感じるうつわ
京都の北部で、同じく陶芸家であるご主人と「製陶ナガオカ」として活動されている長岡亜耶さん。
「掻き落とし」という陶芸技法を用い、作陶されていらっしゃいます。
「掻き落とし」とは、化粧土の表面を削り、異なる素地土の色を出して、絵を描いていく技法。
長岡さんのうつわの中で広がる世界は、長岡さんがひとつひとつ丁寧に彫り上げていくことで出来上がります。
ふんわりと描かれたお花や、軽やかに舞う鳥たち。
その一つ一つに動きが感じられる世界は、まるで物語のワンシーンを見ているかのよう。
それらに下絵具で色をつけていき、薪窯の灰と長石を使った自然素材の釉薬をかけ、焼いていきます。
そうすることで、その先も続くような物語のワンシーンは、艶のある釉薬のガラス質によって、まるで宝石を纏ったように、うつわの中でキラキラと輝きます。
「綺麗だな、美味しいな、楽しいな、幸せだなと、色んなことを噛みしめて過ごしたい。」とおっしゃる長岡さん。
自然のありがたさや、当たり前の日常のありがたさを一つ一つ丁寧に感じとられ、それらを素直に作品に表現されていらっしゃる方だなと感じます。
そんな長岡さんのお人柄から生み出される作品ゆえに、私たちも温かな物語を感じることができるのでしょう。
ぜひ長岡さんのうつわの中で広がる物語を、皆様にも手に取って感じていただけたらと思います。