神澤麻紀
日常の生活に溶け込むガラスのうつわ
女子美術大学付属高等学校、多摩美術大学絵画学科油絵専攻で学ばれ、学生のころから、記憶や郷愁をテーマにアートで表現することを続けてこられた神澤麻紀さん。
社会に出てからも「作ることを続けたい。」という強い想いを持ち、クラフト業界に足を踏み入れられます。
小さいころからキラキラしたものに、ワクワク感や特別感を感じたとおっしゃる神澤さん。
「光を閉じ込める」
そんな特別な力を持ったガラス。
そこにしかない時間や空気の反射。
光と一緒に人々の記憶も閉じ込めているような、その人にしか感じ取れない遠い昔の記憶がそこに潜んでいるような気がして、吹きガラス作家として、「日常の中で溶け込んでいくこと、手を動かすことで生きる喜びを知ること、記憶を忘れないこと」をコンセプトに、日々制作されていらっしゃいます。
神澤さんのガラス作品に見られる、吹きガラスの表面にリューターを用い描いた自然のモチーフ、制作の中で生まれる唯一無二のヒビ模様や、気泡。
身近なものがモチーフになっていることで、それらを眺めていると、使い手の私たちにも連想されるそれぞれの記憶が思い出され、共感し、つい惹き込まれてしまう魅力を感じます。
「作品が自分だけの秘密の宝物になるような存在になればいいな。」とおっしゃる神澤さん。
私たちそれぞれの「日常に溶け込むガラス」
是非、遠い記憶に想いを馳せながら、手に取ってお楽しみいただけたらと思います。