こいずみちはる
空想の世界からやってきたいきものたちが宿るうつわ
福島県ご出身のこいずみちはるさん。
大学卒業後、消費財メーカーの商品企画に従事されていた時に、ご友人に誘われ訪れた、作家もののうつわで料理を提供する喫茶店で、いきものをモチーフにしたうつわと出会います。
こいずみさん自身、それまであまりうつわに興味を持っていなかったそうなのですが、「日々の生活の中で使うもので、こんなにときめけるなんて！」と衝撃を受けたとおっしゃいます。
そこから自分でも作ってみたくなり、陶芸教室に通い始めてからは、陶芸にどんどんとのめり込んでいき、より技術を深めたいとの想いから、京都府立陶工高等技術専門校へ入校。
学校に通いながら、個人での創作活動を開始。
その後、東京にて独立されます。
昔から、アニメや漫画に登場する「自分だけに相棒として振る舞う小さな存在」に惹かれるところがあったとおっしゃるこいずみさん。
そんなこいずみさんがつくられる作品のコンセプトは、使う人にとっての相棒のような存在になれるうつわ。
ふんわりと柔らかなベールを纏ったような風合いは、まるで空想の世界からやってきたような佇まい。
すべすべとした手触りは、そっと両手で優しく抱き上げ、よしよしと撫でてあげたくなる。
何色かの色彩をうっすら重ねて表現された美しい毛色は、時々によって色んな表情を見せてくれます。
モチーフは、あるいきものの具体的な特徴に寄せているものもあれば、２つのいきものの特徴をかけ合わせてみたりすることも。
一瞬を捉えたそれらの表情は、角度や左右によって印象が変わるように意識しながら、「君はどうしたんだい？」と言いたくなるような、ユーモアのある雰囲気になるよう心掛けているとおっしゃいます。
それらの作品は、こいずみさんが日々作陶する中で、遊び心を忘れないようにすることでうまれます。
ただただ可愛いだけではなく、どこか赤ちゃんのようなちょっぴり気のままの自由さが、なんだか放っておけない、そんな存在。
暮らしの中で、癒しの相棒となって、寄り添ってくれます。
手にしたとたん虜になってしまう、いきものたちが宿るこいずみさんのうつわの世界。
あなたのものに辿り着いた相棒に、こっそりと話しかけてあげてみてくださいね。
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