可憐なお花が咲いたようなシルエットが可愛いおちょこ
「食材や花を盛り付けるうつわなだけでなく、生活空間も盛り付けることのできる。
そんな、生活雑貨と美術の中間を目指して制作しています。」とおっしゃる菊地さん。
ガラス越しに見える景色や空間も一緒に作っていけたらとたどりついた、透明ではない、淡く着色されたガラスは、心地の良いメロウなカラー。
ほんのりと色づいたガラスは、空間にすっと馴染んでいき、その場に彩を与えてくれます。
口径の広がりのある様子は、ふわっと可憐に咲いたような。
片手の手のひらにのるサイズで、繊細な厚み。
シャボンのような軽やかさ。
そこには、「ガラスの中の空間」を感じることができます。
「空気」を感じることができる造形美。
それらが存在する空間までをもすべてをふわっと包み込むような、柔らかくも凛とした佇まい。
それが菊地さんのガラスの魅力です。
光によってピンクにもベージュにも紫のようにも見えるカラーは、縁がより色味が濃くでており、本体のガラスの淡いカラーとのコントラストがとても美しく、全体の柔らかい雰囲気の中に、凛とした雰囲気を残すアクセントとなっています。
容量は、約40ml。片手できゅっと握りやすい。
日本酒や冷茶を注いで。
控えめな華やかさがあり、ハレの日にもおすすめ。
一輪挿して、飾っておいても可愛い。
ガラス自体の素材の美しさをいかしたものをつくりたいという想いであえて装飾を加えず、極限まで薄くつけ、薄く吹いたガラスの成形という難しい工程を経て、シンプルでありながらセンスが光る造形の中に、小さな気泡や、わずかな歪みやスジ、道具の跡が残り、人の手の形跡をしっかりと感じとるができる菊地さんの作品。
「綺麗なガラスとは何かと考えたとき、泡がなく、汚れもない透明なものではなく、むしろ、不完全なものほど人の手の加えられた形跡があり、人間味があり、美しいと感じるのではないかと考えた」とおっしゃる菊地さん。
そんな凛とした表情と、柔らかでぬくもりが残る優しいヴェールのような表情を合わせ持つ、心地の良いバランスの菊地さんの作品の数々を是非お愉しみいただけたらと思います。
「本来の用途以外でも使っていただけれたら」とおっしゃる菊地さんのガラスは、心地よい空間を紡ぐお気に入りのアイテムとなって溶け込み、温かく寄り添い続けてくれます。