小さな籠に詰め込んだ、さくらんぼの記憶
あたたかな陽気に誘われて、籠を片手に出かける午後。
見つけたのは、葉のあいだから愛らしく顔をのぞかせる、真っ赤なさくらんぼ。
ひとつ、またひとつと籠へ入れていくたびに、胸のなかへ小さなときめきが積み重なっていく。
そんな幼い頃の宝探しのような記憶と憧れを映した、石黒さんの「籠」シリーズです。

横へすっと伸びる、細長い籠のかたち。
籠は、細く伸ばした粘土を一本ずつ丁寧に編み込みながらつくられています。
縦と横に重なる粘土の線や、編み目に生まれる小さな陰影。
本物の籠を編むように重ねられた手仕事が、うつわへ豊かな立体感と、どこか懐かしい佇まいを生み出しています。
内側には、やわらかな赤で描かれた格子模様。
その余白に、小さなさくらんぼが愛らしく散りばめられています。
籠のなかへ敷いた赤いチェックの布に、摘みたてのさくらんぼをそっと並べたよう。
幼い頃に憧れたピクニックの景色を、小さなうつわのなかへ閉じ込めたようです。
艶のある釉薬に包まれた籠の編み目には、やさしい茶色と淡いグリーンが重なり、光を受けるたびに、みずみずしい表情を見せてくれます。
籠の外側へ目を向けると、四葉のクローバーにちょこんととまる、小さなてんとう虫の姿が。
幸せの象徴ともいわれる四葉のクローバーと、幸運を運んでくれそうな赤いてんとう虫。
草むらで偶然見つけたときの喜びや、思わず誰かに見せたくなるような幼い日のときめきを、そっと思い出させてくれます。
内側に描かれたさくらんぼだけでなく、側面にも小さな物語が隠されているところが、石黒さんらしい遊び心。
正面から、横から、そして上から。
眺める角度を変えるたびに新しい景色と出会える、愛らしい籠のうつわです。
「籠の余白の最後の仕上げは、皆さんにしてほしかったから。
どうぞ、お好きなものをのせて、それぞれの籠を完成させてくださいね。」
石黒さんの、そんな想いが込められています。

幅約23.5cmの細長いプレートは、スプーンやフォーク、お箸などを並べるカトラリートレイとして。
食卓で日常使いのカトラリーをまとめたり、おもてなしの日に必要なものを添えたり。
真っ赤なさくらんぼが、テーブルの上へ小さな彩りを届けてくれます。
さくらんぼや苺、葡萄など、季節のフルーツを少しずつ盛り付けるうつわとしても。
フィナンシェやクッキー、チョコレートなどの小さなお菓子を並べれば、可愛らしいおやつのプレートになります。
お食事の際には、前菜やチーズ、おつまみを少しずつ盛り合わせても。
細長い形を生かして余白を残しながら並べると、ひとつひとつの食材が美しく引き立ちます。
玄関や鏡台では、腕時計や眼鏡、大切なアクセサリーを置くトレイとして使うのもおすすめです。
何ものせていないときには、籠の編み目と、片隅に添えられたさくらんぼを眺めて。
お気に入りのものをのせれば、その人だけの籠の景色が完成します。
同じ「籠」シリーズの野苺や草花のうつわと並べれば、籠を手に季節の実りを摘みに出かけたよう。
暮らしのなかへ、幼い頃のときめきと、穏やかな物語を運んでくれます。
石黒さんの作品は、幾度となく細かな作業を重ね、ようやくひとつの作品へと仕上げられます。
小さな草花や果実を丁寧にお世話し、育てるようにつくられるのは、受け取った方と、その大切な方々へ笑顔を届けたいから。
たどり着いた食卓へ懐かしい思い出を連れて、いつまでも愛らしく実り続けてくれることと思います。
石黒さんの作品は、ひとつひとつ繊細な手仕事によって生み出されていますが、実際に使ってみると、その丈夫さにも驚かされます。
電子レンジや家庭用食洗機を使用できるところも、忙しい毎日に嬉しいところ。
貫入の進みが気になる方は、電子レンジや食洗機のご使用をなるべくお避けください。
食洗機をご使用になる場合は、庫内で食器同士がぶつかることで欠ける可能性があります。入れ方には十分ご注意ください。
また、絵付けに金彩を施した作品は、電子レンジ、食洗機ともにご使用いただけませんので、ご注意ください。
定番として長くつくられているシリーズが多いのも、暮らしのなかで、その時々に少しずつ買い足していただけるようにとの想いから。
そこへ新たなシリーズを少しずつ加えながら、石黒さんは日々、作品をつくり続けていらっしゃいます。