
長岡淳(製陶ナガオカ)
自然の揺らぎを残した、やわらかな磁器のうつわ
京都の北部で、同じく陶芸家である奥様の長岡亜耶さんと「製陶ナガオカ」として活動されている長岡淳さん。
美術大学では油絵を専攻し、その後、京都府立陶工高等技術専門校で陶磁器について学ばれました。
絵画から陶磁器へと表現のかたちは変わりましたが、ものを見つめ、かたちとして表していくことは、今のうつわづくりにも静かにつながっています。
淳さんが制作の中で大切にされているのは、形も釉薬も、できるだけ「人工的にならないこと」。
自然の中にあるものは、一見まっすぐに見える木や竹も、わずかに捻れていたり、しなっていたり。水面に広がる波紋も、きっと定規で描いたような正円ではありません。
そんな自然の造形に近づけるように、ろくろで生まれた粘土のやわらかな形をできるだけ残し、削りすぎないことを意識して制作されています。
胴の輪郭には、ろくろ引きのときに生まれたゆるやかな揺らぎが残り、整いすぎないやわらかな表情を見せてくれます。
材質には、京都で古くから使われてきた「柿谷陶石」を用いた磁器を使用。
釉薬には灰釉を使い、形も釉薬の景色も、自然な表情になるように仕上げられています。
描かれるモチーフは、吉祥文様などの古典的なものから、草花や魚など日々の暮らしの中で出逢うものまで。
ときにはスーパーの鮮魚コーナーで見つけた魚をきっかけに、図案を起こすこともあるそうです。
うつわとして料理を盛りつけたときに、描かれたものが主張しすぎないことも、淳さんが大切にされていることのひとつ。
使う人の暮らしや食卓にすっと馴染みながら、ふと目に留まったときに静かな表情を感じられるうつわです。
「人」の手でつくるものだからこそ、人工的につくり込みすぎず、できるだけ自然の造形に近づけていく。
そんな淳さんの考えから生まれるうつわには、端正さの中にも、どこか呼吸をしているようなやわらかな揺らぎがあります。
ぜひ実際に手に取り、形の揺らぎや釉薬の表情、暮らしの中で感じる心地よさを愉しんでいただけましたら幸いです。
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