丸谷牧子(MUMCA)
美しい風景をつくる境界線を再現したうつわ
能登の入り口、石川県羽咋市ご出身の丸谷牧子さん。
「海が近くにあることが当たり前で、何処に住んでいても、海を見たり、潮の匂いや波の音で、地元の海にいる感覚を思い出し、私の作品は、必ずそこにある、安心感のある自然の影響を大きく受けているのだと思います。」とおっしゃいます。
京都精華大学 芸術学部 デザイン学科に進学。ビジュアルコミニュケーションデザインを専攻されます。
赤い柵と白い壁のコントラストや、海と砂浜の境い目。好きだったのは、風景の中にある、そういう魅力的な境界線。境界線を作る要素の「カタチ」に魅力を感じ、インテリアやプロダクトに興味を持つようになり、大学卒業後は、都内インテリアショップに勤務。さらにプロダクトデザインへの関心が深まり、地元に戻り、石川県立九谷焼技術研修所で、一から陶芸の技術を学ばれます。
卒業後は、金沢市内の九谷焼窯元にて、ロクロ師として従事。
「成形(カタチをつくる)」ことに夢中になったとおっしゃいます。
2018年、九谷焼ブランド「MUMCA」を立ちあげ、独立。
屋号である「MUMCA」とは、丸谷さんご自身の名前にある2つのMから造られた造語です。
ロンドンへ留学へ行った際、異文化の人たちとの交流の中で、改めて自分は日本人なんだなと実感したり、文化もまた決してその場で出来上がったのではなく、都度変化しながら、その場にあるのだなと感じられたのだそう。
日本の響きにも、異国の言葉のようにも見えるMUMCAには、「私から生み出される日本らしさを表現したい。」という丸谷さんの想いが込められています。
プロダクトがとても好きから入った陶芸の世界。
ぱっと目を引く造形美に、プロダクトデザインとしての視点から考えられた、使いやすさを意識したデザイン。
そこに、日本の手仕事の細やかな丁寧さ、女性らしい繊細さと柔らかさ、さらに石川県の自然豊かな景色に影響を受けた丸谷さんならではのエッセンスが加わり、丸谷さんの作品は生まれます。
確かに残る手仕事の跡や、釉薬の景色が見えた時、温かみを感じる瞬間となる。
手仕事の跡や釉薬が織りなす景色は、自然の景色のように、普遍的でありながらも唯一無二で、どこか神秘的で、儚さの中に強さがあり、風景を目にしてほっとするように、それらは日常の心地良さへと繋がっていきます。
丸谷さんの作品には、そんな魅力があります。
「風景の中にある、美しい境界線を抽出し、器というカタチに起こす。MUMCAの器が、人の手に渡って、様々な使われ方をすることで、美しい風景をつくってほしい。」そうおっしゃる丸谷さん。
お気に入りのケーキや美味しい料理を盛り付けて。
丸谷さんのうつわで、それぞれの心地の良い食卓の景色を愉しんでいただけたらと思います。
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